게시글: 「削るは楽しい。」から「刃物で遊ぶ」へ。折畳式料理ナイフが生まれるまで

「削るは楽しい。」から「刃物で遊ぶ」へ。折畳式料理ナイフが生まれるまで
FEDECAが生まれた兵庫県三木市は、古くから大工道具や刃物づくりが受け継がれてきたまちです。

FEDECAが生まれた、兵庫県三木市の風景
鋸で木を切り、鉋で削り、鑿で穴をあける。三木の道具は、職人の手仕事とものづくりの現場を支えてきました。
一方、大工道具は主に職人が使うため、包丁や食器のように産地名が暮らしの中で知られる機会は多くありません。三木が日本有数の金物産地であることも、一般にはまだ十分に知られていないかもしれません。
私たちは、三木で受け継がれてきた技術と、手を動かして素材をかたちにする文化を、もっと多くの人に届けたいと考えました。
そこで選んだ入口が、「削る」ことでした。
大工道具の文化を、身近な遊びに
2016年4月、木のハンドルを自分で削って仕上げるナイフキット「It’s my knife」が誕生しました。現在の「It’s my knife Craft」です。

名前は、Bon Joviの楽曲「It’s My Life」から着想を得た言葉遊びです。
「It’s My Life」を、「It’s my knife」へ。
自分の手で削り、自分だけの一本をつくる。その特徴を親しみやすく表しました。
コンセプトは、「削るは楽しい。」
完成品を買うだけでなく、自分の手で素材に触れ、少しずつ道具へ仕上げていく。職人のものと思われがちだった大工道具や刃物を、誰もが楽しめるものづくりの道具として、暮らしにひらこうと考えました。
工作から、実際に使う道具へ
最初のIt’s my knifeは、木を削る工作を楽しむためのナイフでした。
一方で、削ってつくる楽しさに加え、完成したナイフを料理や外遊びの中でも使ってほしい、という思いが生まれました。
そう考え、2016年9月に発売したのが「It’s my knife Folding」です。

目指したのは、キャンプへ持ち出し、肉や野菜を切れる「折り畳める包丁」でした。
自分でハンドルを削った満足感だけで終わらず、その一本を何度も使ってほしい。そのため、押切りや刻みやすさ、指がまな板に当たりにくい形状、持ち運びやすさなど、キットでありながら実用性にもこだわりました。
削る量を減らし、入口を広げる
It’s my knife Foldingの発売当初は、四角い木の板からハンドルを削り出す上級モデルだけでした。
そこで半年後、外形を切り出した中級モデルを発売。約2年後には、完成品と同じ形状まで加工し、木肌の状態から表面を仕上げる初級モデルを加えました。

写真左から上級、中級、初級。
削る量を段階的に減らしながら、より多くの人へ、自分の手で仕上げる楽しさを届けてきました。
削ることから、刃物を楽しむことへ
モデルを増やす中で、私たちは気づきました。
じっくり削りたい人もいる。
少しだけ手を加えたい人もいる。
完成した道具を、すぐに料理やキャンプで使いたい人もいる。
刃物との付き合い方は、一つではありません。
「削るは楽しい。」という原点を大切にしながらも、楽しみ方を削ることだけに限定する必要はない。
つくること。
料理に使うこと。
自然の中へ持ち出すこと。
手入れをしながら長く付き合うこと。
そのすべてが、刃物を楽しむことにつながっています。
完成品となり、アウトドア市場へ
「It’s my knife Folding」の発想と実用性を受け継ぎ、誰もがすぐに使える完成品として磨き上げたのが、現在の折畳式料理ナイフです。
2019年4月、発売に先だってクラウドファンディングを実施しました。
そこで集まった応援購入額は、800万円を超えました。

「外でも、包丁のように料理しやすいナイフがほしい」
私たちが感じていた課題は、多くのキャンパーも同じように感じていたのだと実感しました。
クラウドファンディングをきっかけに、折畳式料理ナイフは多くの方に知られるようになり、FEDECAの商品はアウトドア市場へと広がっていきました。

2019年のアウトドアイベントの様子
キャンプへ持ち出し、食材を切る。
仲間や家族と料理をつくり、食卓を囲む。
自分で削ることから始まった楽しさは、完成した道具を外へ持ち出し、実際に使う楽しさへと広がっていきました。
「削るは楽しい。」から始まったFEDECAは、つくる、使う、手入れするという、より自由な刃物の楽しみ方へ歩みを広げてきました。
その思いは今、「刃物で遊ぶ文化をつくる。」というビジョンへつながっています。
折畳式料理ナイフを見る |

